「沖縄戦「集団自決」についての教科書検定に関する意見書」

沖縄戦「集団自決」についての教科書検定に関する意見書」が採択されました。

党によって思想はまったく違いますが、「政治介入してはならない」という点で一致し意見書が作られ採択となったわけですが、何となく釈然としません。

まったく違う思想の議員が、「秩序を乱すのは良くないのだ・・・」という点で歩み寄った事は、評価する所ですが・・・・・。

私自身は、これは・・・という文言もありますし入れて欲しかった文言もありましたが、削除されました。「検定意見撤回の意見書」が提出されるより良いとの事で、最終的には賛成しましたが、残念でなりません。(腹が立って眠れない日が続き、とうとう最終日は熱が出ておりましたが・・・)

以下、採決までの経過です。

沖縄戦の集団自決の教科書検定問題に関して、「検定意見撤回の意見書」を議会で提出しようという動きがあり、私は、自民党系会派所属ですが、その文面に対しての意見を求められました。

「高校の教科書検定の経過の事実をご存知なんでしょうか?軍の命令があったという文言が消えただけで、集団自決があった事を削除するわけではないのですが・・・。良く検討して欲しい・・・11万人集まって抗議すれば、撤回できるのか・・・(後日13037人という情報も入りましたが・・)政治介入ではないのでしょうか。それでは秩序も何もなくなってしまうではありませんか。」と訴えました。

他の議員も、「都議会はどうなのか・・・様子を見よう」・・・その他、「政治介入はしてはならないのではないか」との意見が多くありました。

それではこちらから意見書を出したらどうかという事になり(提出された撤回意見書に反対して欲しかったのですが・・・)民主党会派と杉並自民議員倶楽部会派の幹事団、そして、他会派との調整が始まったのですが・・・。 

議会中、それも決算特別委員会が毎日続いており、朝から夕方まで委員会室に(杉並区は、48人全議員参加の委員会です)て、他議員の質問・答弁を聞き、自分も質問、その後、次ぎの款の原稿を作らねばならないという大変な時期です。

左系の議員は、会派を超えて検定撤回にもちこむための文章を区庁舎前にて配り、阿佐ヶ谷駅にて街頭演説で訴えておりました。(生活者ネット社民党・他サヨク系8議員)

しかし、民主・自民案を調整に調整を重ね、文言を練りに練って「意見書」が出来ました。

10月17日の議会最終日に、教科書検定に関する2つの意見書が提出され、議場にて議員の意見が飛び交いました。(5時になっても終了せず・・・)

いつもでしたら、議員が質問し区長や理事者が答弁するのですが、議員対議員の論争にどうなるのか・・・。

論争を見守っておりましたが、結果、強行に撤回を・・・と求めていた生活者ネットも賛成、共産党社民党も賛成で、45対2(1議員退場)で意見書が採択されました。(妥協の意見書の気がするが・・・・。これでいいのか!!)

以下、意見書を貼り付けます。

沖縄戦「集団自決」についての教科書検定に関する意見書」

文部科学省は、本年三月三十日、平成二十年度から使用される高等学校用日本史の教科書を審査する教科書用図書検定審議会において、沖縄戦における集団自決の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍の関与を削除する修正を行った。これに対する沖縄県民の願いを十分に理解し、その動きを注視するものである。

追い詰められた戦争末期、国内唯一の地上戦が行われた沖縄において、県民が筆舌に尽くしがたい境遇におかれ、多くの戦没者、犠牲者が生まれたことについては、紛れもない事実であり、心からの哀悼の意を表するとともに亡くなられた方々への思いを真摯に受け止め、その体験の持つ重みを日本国民全体で享受し、平和を希求する思いを強く持たなければならない。

教科書は、未来を担う子どもたちに事実を伝える貴重な役割を担っている。沖縄戦における「集団自決」の事実を正しく伝え、沖縄戦の実相を教訓とすることの重要性や、平和を希求することの必要性を子どもたちに教えていくことは、我々に課せられた重要な責務である。

よって、杉並区議会は、国会及び政府に対し、平成二十年度から使用される高等学校用日本史教科用図書における沖縄戦の記述に関して、速やかに対策を講じることを強く求めるものである。