平成22年11月20日より12月7日まで定例議会

HPを更新する時間もなく動き回っていた・・・が、議会での質問を貼りつけます。

平成22年11月議会定例会   一般質問

「議長 7番です」

区政一般についての質問を致します。

初めに、区長の区政運営方針について 次に杉並区の教育方針について

次に高齢化社会について、最後に保育園について、お伺いいたします。

決算委員会でも申し上げましたが、山田前区長は、約11年間で、杉並区の財政を立て直し、次代の日本を担う子供達の教育にも力を入れてきました。その結果「杉並を住みやすい」と答える区民は95%にのぼっています。

日本経済新聞社は、平成20年12月1日に、「行政革新度調査」を行っておりますが、透明度、効率化・活性化度 、市民参加度、利便度の側面から行政の改革度合いを評価した結果、平成18年も20年も、自治体全国ランキングで、杉並区は、803自治体の中で3位となっておりました。このリーダーシップは、評価されるべきです。

減税自治体構想については、区民の意見も様々でしたが、多くの意見について検討がなされ、議会でも色々な意見が交わされ、採択に到りました。

「杉並区減税基金条例」が賛成多数で可決された時、山田前区長は、「減税基金条例」は、今日の一部分を積み立て、明日に備え、明日を豊かにする、杉並区民の良識の源となるだろうと話しておられました。

この構想は、 他自治体のお手本ともなっており、他自治体議員の視察も多かったと聞いております。

新区長となり、この条例は凍結されるとのことですが、まだ、これからという段階で、中止という結論を出すことは、政策の継続性の観点からも、慎重に結論を出すべきではないでしょうか。
 また、杉並区は「教育立区」を掲げ、教育基本条例等の制定に向けて「杉並区教育基本条例等に関する懇談会」を設置し、多くの意見を検討した結果教育憲章」を制定する事を目指してしいましたが、その検討も中止とお聞きしました。

今日の社会で起こっている さまざまな事件をみておりましても、教育の重要性を強く感じておます。杉並区の子供達はこうあって欲しいという教育憲章」の制定を願っておりましたので、制定中止は残念な気が致します。

田中区長は、

1、 減税基金条例の凍結、多選自粛条例の廃止を打ち出し、教育憲章の検討中止等、これまで、議会で多くの意見がかわされ決定した条例を切り捨てましたが、まさにトップダウンであり、議会軽視であると思われますが、区長の見解をお伺いいたします。

2、杉並区の教育方針についてですが、初めに教員の指導力についてお伺いいたします。

このたび、区内の小学校で不適切な指導がなされたという報道がありました。

子供達の心を傷つけたことに対して、怒りを覚えますし大変残念でなりません。

子供の伸びようとする力を、どのように引き出すのか、また、引き出す環境をどう作っていくのか、人をそだてる仕事は、命がけのはずです。

子供達は、教師のかかわりかたや言葉一つで、その教科を好きになったり、将来への夢を描いたり、困難にたちむかっていくエネルギーの基になったりもします。また、その逆もあります。

教師は、子供の一生を左右する程の影響力を持っている事を、すべての先生が自覚するべきです。

ベテラン教師が退職し、若手教員が激増していると聞いておりますが、大学を卒業して間もない、まだ、教師としての使命感や、教師としての自覚が十分でない教員が教壇にたつこともあるでしょう。

新人教師であっても、ベテラン教師であっても、子供達にとっては、身近な大人であり指導者です。

昔は、師範学校があり、教師としての心意気から、実習まで、しっかり学んでから赴任したものですが、今の大学の実習は数週間ですから、あまり期待はできません。

本区では、「杉並師範館」により、教師としての強い自覚と使命感、教育への熱い思いと責任感を はぐくみ、杉並区の子供達の心を 全身全霊で受け止められる教師を育ててきました。

素晴らしい施作であったと、改めて評価いたします。

本事業は、今期を持って教師の養成を終了するとのことですが、私は、この取り組みが今期で終了される事が、残念でなりません。

前区長も、「師範館」は、5期で終了予定とおっしゃっておりましたが、私自身は、杉並区独自の教師養成は終了しても、その後は、現役の先生方のレベルアップをはかる「師範館」となれば良いと思っておりました。

師範館」が終了されたあと、今後、若手の教員に対しての教師としての自覚や使命感、教師としての心のレベルアップについてどのように取り組んでいこうと お考えなのかお伺いいたします。


次に就学前教育にたいする取り組みについてもお伺いいたします。

先日、素晴らしい教育方法で成果をあげているという横浜のあすか幼稚園の視察に行ってまいりました。

朝の朝礼の行進や整然とした体操と大きな声にまず驚きましたが、その後、教室に入り、アルファ波の出る朝の一番良い時間帯に20分~30分間、大脳を刺激する遊びをします。

まず「腰骨を立てます」という先生の号令でピンと姿勢を正し、子供達は、両手を後ろで組んで先生のスピード感あるフラッシュカードに元気に反応していました。

フラッシュカードとは、四角いカードに文字が書いてあり、それを子供達に瞬間に見せて、子供たちが反応するというカードです。

出席の取り方も 児童の氏名を漢字で書いてある フラッシュカードを使って、御休みの子がいると、全員で「お休みです」と反応していました。東海道線の駅名・音楽家の名前・反対語・の書いてあるフラッシュカード等素早いスピードで反応していました。手品を見ているようです。

漢字仮名交じり絵本では、絵本に出てくる漢字フラッシュカードに反応したあと、各自が大きな声で読んでいました。

和歌や、論語素読もしておりました。

幼児期は、人格形成において一番大切な時期です。生体リズムの変化も速い時期ですので、そのリズムに合わせて先生が対応すれば、子供たちは、自然と対応します。教えるのではなく、フラッシュカード使って遊ぶこの指導法は、若い先生ほどいいのかもしれません。

ものすごい集中力に、見ている私の方が、そのスピードについていけませんでした。

この幼稚園は、児童数もおおく、8園あり、先生は、170人おられるようでしたが、子供の伸びる力は先生次第です。毎年春には、新人研修、秋には、職員研修をし研鑽を重ねているとのことでしたが、ここまで先生を養成指導するこの幼稚園の方針と情熱に驚きました。

年長組を対象に週一回剣道も 正課の授業に取り入れていますが、剣道の授業も見せて頂きました。整然と並んで大きな声で道場に礼をする姿は、とてもほほえましくかわいらしく、何とも素敵でした。太鼓の音で一斉に整列、大きな掛け声での練習は実に見事でした。

武道は、礼に始まり礼に終わると言いますが、園児たちの規律正しい姿は、感動的です。

子供には、何でも真似をしたいという好奇心があり、何でも吸収してしまい、伸びようとする意欲が旺盛なのが幼児期であるので剣道を取り入れたとのことでした。

寒い日は、素足でとても冷めたいため子供には 続かなのではないかと心配する親もありましたが、子供たちの方からかえって要請があった、とのことでした。

剣道は、子供たちにとって心身共に有効で、礼儀作法も身に付くことから長年続いているとのことでした。

道場の雑巾がけも 一斉にかけ声をかけて整列して始まり、雑巾を箱にしまう時も、静かに列をつくって男女交互に入れていく。道場の空気がぴーンと張り、おしゃべりする子もいません。

挨拶、礼儀作法は、幼児期に身につくものですが、

就学前教育における、礼儀作法教育にたいしての教育委員会の方針をお聞かせ下さい。

また、

区内幼稚園における幼児の漢字教育、及び素読に対する教育委員会の考えかたについてもお伺いいたします。

幼保一元化についておたずねします。

学校教育法 第22条では、幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うもの。とあり、児童福祉法 第39条では、  保育所は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。とあります。

両親とも仕事を持っている場合は、お子様を幼稚園に行かせたくても、保育園に預けるしかありません。そのため、幼稚園が延長保育をしてくれたらとの声が寄せられており、最近では、その要望に答えてしっかり延長保育する幼稚園が多くなりました。

保育士と幼稚園教諭の免許が違うように保育園と幼稚園の目的も違うはずですが、 区は、幼保一元化のメリットをどうとらえているのでしょうか。

子供園についても、色々な意見が飛び交っていますが、保護者の要望に答えて幼稚園中心で保育を取り入れたいのか、それとも、待機児対策で保育園にしたいのか

はっきりしません。

以前は、子供の数が多く、早朝から並んでも、幼稚園に入れずに困った時期があり、区立の幼稚園が、その受け皿になったのですから、子供の数が少なくなった今、区立幼稚園の役目はもう終わったのかもしれませんが、子供園は、中途半端な気も致します。

子供園が、幼稚園の延長保育であるなら、教育委員会で検討すべきで、何故、保育課になってしまったのか納得がいきません。

これでは、幼稚園として区立幼稚園を選んで入園させている保護者のかたは、とまどうことでしょう。

杉並区の子供園における、具体的な教育方針をお聞かせ下さい。

3、高齢化社会については、他の議員も取り上げておられましたので、簡単に質問いたします。

杉並区では、介護が必要な状態にならないよう 元気なうちから、心身の衰えを予防・回復するためと、65歳以上の方を対象に、多くのきめ細かい施作に取り組んでおり、区民より感謝の声をお聞きすることがあります。

当区が行っている介護予防事業の内容と、その結果や効果についてお聞かせ下さい。

この事業は、区のHPでもきちんと紹介されておりますが、高齢の方が、あまりHPはご覧にならないでしょうし、介護予防事業を知らない方も多いと聞いておりますが、事業の周知はどうされているのでしょうか?

高齢の方でも、心身ともに若く、うらやましい程元気な方もおられますが、年齢と共に

身心の健康への心配、経済的心配、介護問題等、若い時には考えられなかった不安の声も寄せられております。

若いうちからの自助努力も必要でしょうが、特に介護問題については、自助努力では、どうにもならない事があります。

こんなはずではなかったのに・・と自分の体が動かなくなって悔しい思いをしている方や、介護されるつらさをお話される方にお会いすると何と言ってあげればよいのか困ってしまいます。

介護される方も辛いでしょうが、介護するご家族も色々な面で大変な思いをされており、様々ない意見を頂く事があります。

家庭の中の事ですし、詳しくお話にはならない方が多いのですが、認知症のお父様が、家にいない為、今、探していると電話連絡が入ったこともありました。

一番困ったことは 何ですか とお聞きしましたら、突然予期しない事が起こった時にどこにどう相談していいのか迷う」 との事でした。ケア24に一緒に行って相談した事もありますが、緊急の時は、間に合いません。

緊急の時にSOS出来る、♯8800のように、覚えやすい、いざという時、とっさの時でも浮かぶ 介護緊急番号があれば助かるとの要望をいただきました。

介護する方の中には、ご自分の仕事を休まなければならない状態となり、仕事を辞める方もいらっしゃいますし、一時的でもいいので、誰かに助けて欲しいという時もあります。

今後ますます高齢化社会になりますし、誰もが通る道でもあります。

介護について、いつでも困った時に相談できる体制を強化していくべきと考えておりますが、いかがでしょうか?

駅舎つくりや、公園施設つくりは、どうしても若い方の目線で作られがちです。先日、高齢の方や松葉杖を使っている方より高円寺駅の公衆トイレに入ろうとしたら 全て和式で使えzyに大変困ったとの言葉を頂きました。

体が不自由になって初めて気づく事、高齢になって初めて感じる事も多いのではないでしょうか。

全ての区民が、笑顔で安心して暮らせる住み易い杉並区である事を願っています。

4、最後に、保育園についてですが、他の議員からも質問がでておりましたので、一つだけ保育園の待機児についてお伺いいたします。

私自身は、3歳までとは言いませんが、せめて0歳の時ぐらいは保育園に預けずに、親のぬくもりの中で育てて欲しいと願っておりますが、0歳で預けなければ、年度途中では保育園に入るのが難しいとの声を何度か聞いたことがあります。何のための保育園なのでしょうか。

国が、もっと具体的に、使いやすい育児休暇のしくみを作るとか、仕事も時間的に育児と両立しやすい仕組みを作らない限り、育児はとても大変なものとなってしまいます。

あるお母様は、出来るだけ家庭で保育をとの思いで頑張っておられましたが、仕事上そうもいかず、保育園を探しておられました。結果は、バスを何回も乗り継いで行かねばならない遠い保育園しか入れず、引っ越しまでも考えて悩んでおられました。

区の保育課では、自分で保育園に電話をして探して下さい との対応でした。もちろんお子さんや親が安心できる保育園を親の目で探して下さい とのことなのでしょうが、育児と仕事をこなしている若い方々は、現実には、育児と仕事の両立で、不安で仕方がないはずです。

余りにもあたたかみに欠ける対応に 私自身も驚いてしまいました。

現在の保育園の待機児は、区の努力のおかげで少なくなってきていましたが、最近また増えつつあるようです。しかし、それでも、何百人ではないわけですから、

その親が納得できる保育園や 預け先が見つかるまで、待機児の親の状態をしっかり把握してアドバイスし 補佐して欲しいと思いますが、いかがでしょうか。

育児の経験のない若い夫婦にとって、区に相談する事さえ敷居が高いはずです。ぜひ、規定通りの対応ではなく、心をこめて対応して頂きたくよろしくお願いいたします。

以上、質問を終わります。