温度のある言葉

ある小冊子に、「言葉遣いは心遣い」とありました。

上司より「頑張ってね」と言われていたが、ある時、「頑張ってるね」と言われて働く喜びを感じた・・・という文章でしたが、「頑張ってね」と「頑張ってね」・・・一字「る」が入っただけでこんなにもあたたかい温度のある言葉になるんですね。

確かに「頑張ってね」って言われたら、「これだけ頑張っているのにどうするのよ」と思いがち。「頑張ってるね」って言われたら・・・あら・・私の頑張りを見ていてくれたんだなあ・・・と何となく「ほっと」し、ちょっぴり嬉しいかも知れません。

この文章を読んでいて、私が27歳の時、母が亡くなった時の事を想い出してしまいました。

当時、私のお腹には4人目の子が宿っていたのですが、あと2ヶ月の命ですと宣告されて苦しんでいる母には告げる事が出来ませんでした。(母には、あと2ヶ月の命とは言えませんでしたが・・・)

毎日毎日、40分以上車を走らせ病院に通いましたが、つわりで体調は悪いうえに、1歳・3歳・4歳の子供達がいて・・・・。長女は妹に預けて二人の子供をつれての病院通いは、大変でした。長男は、大きな病院で何度も何度も迷子になって呼び出されてしまうし・・・今考えても良くやったと思います。

入院してから3ヶ月後、私には「暑い夏から寒くなるまで毎日通ってくれてありがとう」と、そして、中学2年生だった妹をどうかよろしくと何度も何度も言って・・・まだ結婚していなかった次女には、「これは、結婚資金だから」と枕元から通帳と印鑑を渡し・・・・その後、意識がなくなって・・・亡くなりました。

松浦家は、二代養子であるため、多分、長女である私が中心で動いていたのでしょう・・・お葬式も終わり、茫然としていたその時、母の姉である伯母が、「よしこちゃん、よく頑張ったわね」とそっと私の頭に手をかけたのですが・・・・。

それまでは、涙も見せず気が張っていたのですが・・・・急に気が緩んでしまって・・・。その伯母も今は、天国ですが、つい母を想い出してしまいました。

母が亡くなったのが10月。4人目の次女が生まれたのが、次ぎの年の5月。母の代わりにこの世に来たのでしょうか。何となく似ているんですよね。