歪曲申入書についての反論

『「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会』によって提出された申入書(平成17年6月20日付)についての見解を正式に教育委員会に報告しました。

以下、その報告書です。

杉並区教育委員長 丸田頼一様

杉並区教育長   納富善朗様

                       平成17年7月1日

                      杉並区議会議員  松浦芳子

『「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会』によって提出された

申入書(平成17年6月20日付)について、明らかな事実歪曲表現の箇所が散見されるため、報告させて頂きます。

1.Ⅰ.について

(1)本文について

『「日本文化チャンネル桜」が関与する集会に二度(※)・・・』とあり、「※2月21日、チャンネル桜杉並支部開局記念祝賀会」との記述があるが、

開局記念祝賀会は開催しておりません。祝賀会という表現はプライベートな私企業が行った営利のためのイベントという印象を受ける悪意のある表現であります。開催したのは山田区長にも討論に参加いただいた、純然たる教育シンポジウムであり、約600名の参加者からの質疑応答もありました。

パネリストは教育問題に熱心に係ってこられた方ばかりであり、これは、

日本文化チャンネル桜」また、区長や登壇者、教育委員会に対する名誉毀損でもあります。

(2)【理由】①について

日本文化チャンネル桜について『「つくる会」の宣伝を担当する衛星テレビ』と記述されているが、

TV局として「つくる会」の宣伝を担当してはおらず、このような記述は日本文化チャンネル桜に対する名誉毀損と営業妨害になりえます。

日本文化チャンネル桜」は、「教科書ネット21」の海外特派員協会の記者会見の全編ノーカット放送したり、民団青年部が行った海外特派員協会記者会見をノーカットで全編放送しています。親の会の論理に従えば、「教科書ネット21」や民団青年部の宣伝テレビとも言えてしまいます。

(3)【理由】②について

『「「はあもにい教育研究会」「杉並の教育を考える会」が主催する5月22日「日本海海戦」上映会」とあるが、

日本海海戦」上映会」について、「はあもにい教育研究会」「杉並の教育を考える会」は、主催はもちろん、後援さえもしていません。当然ながら、当日は、扶桑社の宣伝も採択勧誘活動も一切していません。本年は世界史的にも有名な日本海海戦100周年の年であり、それに関して製作された昭和32年の映画の上映を、ことさら扶桑社と強引に結び付ける事は、まさに自分達のプロパガンダのための政治宣伝であり、これは自由な文化活動に対する冒涜であり、このような事実誤認の指摘は、言論・芸術に対する脅迫と抑圧ではないでしょうか。

(4)【理由】③について

『3月27日「チャンネル桜主催の明治神宮会館における「全国地方議員大勉強会」は・・・(一部省略)・・・その決議の内容から明らかなように扶桑社教科書の採択のための総決起集会であったこと」とあるが、

この会は、文字通り全国の地方議員が自主的に自分の費用で、これからの日本を真摯に考えようと集まり、行われた勉強会です。また、安倍晋三議員の講演を中心として、シンポジウムも行われました。当然のことながら教育の問題も話し合われましたが扶桑社の教科書問題が話題として特別に取り上げられたことなどありません。

当申入書に記載されている事実関係について言えば、当日は、「決議」などといった類のものはまったくありませんでした。勉強会だからです。まして教科書採択の決起集会などではまったくありませんでした。このような悪意を感じられる事実歪曲とデマ宣伝は、純粋な勉強会として自主的にご自身の費用で参加された全国の地方議員や賛同地方議員991名に対する明らかな侮辱と名誉毀損であり、各議員の自由な政治活動に対する抑圧、脅迫にも該当するのではないでしょうか。これは明らかに民主的な政治活動への妨害行為です。

また、同時に、これは、自身の政治的意図の実現のために、事実無根の悪質なデマ宣伝を行う、日本の民主主義社会に挑戦する非常に危険なファッショ的な政治宣伝行為であると言えます。

(5)【理由】④について

『杉並区内で配布された「チャンネル桜」のビラは、東京書籍の中学国語教科書及び指導書を攻撃するものとなっています』とあるが、

日本文化チャンネル桜は、テレビ局であり、政治運動を目的にしておりませんし、また、してもいません。同局に照会したところ、教科書を攻撃するビラは1枚たりとも撒いていないし、教科書を擁護するようなビラを配布した事もないとの事です。放送法の常識から考えてもありえないことであり、そんな馬鹿なことを同局がするはずはありません。

多分、「松浦芳子のありがとう通信」の区政報告を日本文化チャンネル桜のビラと歪曲宣伝し、摩り替えたとも考えられますが、この「松浦芳子のありがとう通信」は、個人の区政報告・活動報告であり、ビラではありません。この中に掲載されているのは区長や区民の出演する「杉並区アワー」と私自身が出演している「地方議員アワー」の放送のお知らせだけです。

(6)【理由】⑤について

『上記で明らかにしたように「つくる会」と深い関係をもつ「チャンネル桜」は、扶桑社の宣伝担当として他社攻撃や勧誘活動を進めています』とあるが、

つくる会」と株式会社日本文化チャンネル桜は、直接的な株式関係も取引関係も無く、「親の会」が行っているようなある特定の教科書出版会社を攻撃したり、ある特定の教科書会社の勧誘活動も全く行っていません。

「深い関係」などと意味不明であいまいな形容詞を使った表現は、同局と「つくる会」の名誉を毀損侮辱し、誹謗中傷を目的とした悪意あるデマ宣伝です。発起人や賛同者の一部の人に「つくる会」の会員がいるからといって「深い関係」とあいまいな表現で宣伝されることは許されることではありません。

また、申入書を公の杉並区教育委員会に提出しながら、これをそのまま、親の会のホームページに掲載する等は、申入書で事実関係とことなる内容によって非難攻撃を受けた企業、個人、団体にとって、名誉毀損、営業妨害、脅迫行為とみなされても仕方がないと考えられます。

「上記」の記述の内容に数多くの事実歪曲、誹謗中傷行為、営業妨害行為が見られるため、この民主主義に対するファッショ的挑戦行為として、この「上記」という表現について事実を述べさせていただきました。

区長とともに考える教育に関するシンポジウムは、参加者にとって意義のある会でありましたし、「日本海海戦」上映後のアンケートでも素晴らしかったとの感想が多く寄せられています。

2.Ⅱについて

『6月8日松浦芳子議員の「前回は騒動の中の教育委員会だったから非公開を考えよ」という趣旨の一般質問』とあるが、

これは、松浦芳子の質問の一部のみ取り上げた指摘であり、このような一部抜粋は不要な誤解を生みます。

また、「教育委員会が公正・公平であれば非公開にする理由は全くないはずです」との記述があるが、

「4年前は、23区中14区が非公開であった」との答弁をどう解釈するのでしょう。14区において、公正・公平でない審議が行われたというのでしょうか。

以上

教育委員は、区民が選んだ区長の推薦を受けて議会で承認された「区民の代表」です。8つの教科書は、どれも検定に通った教科書であり、教育委員会は、その権限と責任において、特定の団体や外部の圧力に決して左右されることなく、毅然とした態度で、教科書を公正かつ適正に採択して頂けることと切に願っております。

別室での傍聴・無記名投票等に関し、是非検討して頂きたいと考えます。